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2006年07月30日
歯車の幸福
ここのところ知り合いが何人かフリーから被雇用者に戻っていく一方で、勤めをやめて大学に通うことを決めた知り合いもいます。
会社の歯車として、人に使われて、自分の意思を曲げながら、妥協しながら生きていくなんて嫌だ。苦労はあっても自由に、妥協せずに、自分の理想を実現したい。
ある意味紋切り型な、でもそれだけ誰もが感じる「自由への渇望」!
自分も美学に背いた仕事をやらなければならない時とか、そんなことをぼんやり感じることはありますが、やっぱり今の環境からは抜けがたい。
かえりみれば、
能力は平凡で、野望もなく、暇なときには来し方行く末の考えても仕方のない遠い問題をあれこれ思い悩んでしまう自分にとっては、適度に自分の時間を奪い取って=”暇つぶし”をさせてくれて、多少の失敗にもかかわらず収入を保証してくれる勤め人の生き方って、結構合ってると思う。
それに、こと日本でそういう「非-技能系」な勤め人になるなら、遅くとも25までに学校を終わって、そこから間髪入れずに企業体に入らないといけない。大学というのもそのためのカタパルトにすぎなくて、スキルアップ=自分の労働市場での価値を上げてくれる機関ではない(研究職に進む場合は別)。新聞広告を見る限り、中途採用の条件は「経験有」ばかりで「博士号(はおろか、○○における△年間の教育)」というのは見あたらない。卒業して得られる資格(技能、ではない)が職業に直結しないなら、会社を辞めて学校に戻るのはリスキーに過ぎると思う。
※そういうシステムをかえねばならんのだ、という議論も別途やってほしいけど。
あとフリーが「自由」とも限らないのであって……。プライベートと仕事を隔てる心理的な仕切りがないということは、起きてる間じゅう仕事になっちゃうこともある。それ自体が自由かもしれないけれど、商品を作って売る仕事をやっている場合は、発注側の思うままに自分の時間を捧げていると見ることもできるんじゃないか……
* * *
最近に限らず「なんで会社員やってるの?」という問いかけには上のような答えをして、他の会社や業界にも、学校にも、フリーにも移行しないことの理由を説明します。
結局、独り立ちする才能と勇気のある人への尊敬とやっかみ、ですけどね。ワッハ
投稿者 b-men : 2006年07月30日 09:27
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コメント
フリーも、生計を立てねばならなければならない以上、「苦労はあっても自由に、妥協せずに、自分の理想を実現」で生ききれるなんてごく一握りでは?
自分は、適度に型をはめてくれて、体力を消耗しきらない程度に時間が自由になる今の生活はあってるのだけど、まだ職業ではなくてモラトリアム&訓練期間なのがミソ。収入補償を求めて勤め人になるべく三十路になってから就活ですよ(やだよー)。
投稿者 e-com : 2006年07月31日 03:29
そうそう、たぶんごく一握り。でも特に脱サラという「飛躍jump」をしようとする人は、バネにそういう動機=理想がないと跳べないんだろうなと思う。一方で最初っから自営の人にはそういうのはないかもしれないね。
訓練期間かはともかくとしてワタクシも十分モラトリアム(しかも終了のないw)で。
それにしても研究職のシュウカツって何するんだ。
投稿者 管理人 : 2006年07月31日 11:39