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語るの振り子

「そういう考え方もあるが、一方こういうことにも注意しなければいけないと思う」という具合に、言葉を紡ぎながら、同時にその言葉を注意深く眺めて、その言葉では言い尽くせないことをさらに補足していくような話し方/書き方を、学生だったころはしたいと思って試みていたように思う。

とはいえアタマもそんなによくないので、大抵は「あれもこれも」な、何を擁護したくて何を擁護したくないのかがわからないような文章になって徒労感を感じるというオチだった。前世紀の終わり頃の話です。

学校を出てからごく最近までの5年間は、そんな言葉の紡ぎ方をちょっと変えてみようとしていた。
なるべくストレートに、細かい修飾を排除して、誤解や不正確さを恐れずに、とにかく大振りな感じに荒っぽくぶつける。相手がそれを首尾良くキャッチしてくれたらそれでよし。齟齬が生じたら対話を通じて必要なかぎりの修正を加えていく。
最初からいろんな可能性を想定して注意深く糸を渡していくやり方に比べて、こういうのは楽というか、まあ無精なやり方ですよね。重箱の隅をつつくような細かい注釈なんてイミない、大体あってればコミュニケーションはとれる、という気分はあったに違いない。歯切れのいい、蛮勇な感じの物言いがカッコイイ気がしていたというのはもっと自覚的にあった。

で、今ふたたび、言葉を使うのにもっと気を遣っていこうと思ってます。
どうも最近、楽をしすぎていて細かいことを考える体力がなくなってきたとか、という危機感がある。それから蛮勇な感じの物言いにも飽きてきたというのもかなり大きい。あと、まずドーンと相手にぶつかって、こっち向いてもらっていっしょにお話しましょうよ、というつもりが単に気分を害されちゃっただけ、ということもあった。

なんて書き出してみるとどうも数年周期で自分自身の語り口に飽きてるだけっぽい。というわけで暫く口数を抑えて、そのぶんよく考えて言葉を発したいと思います。

※そのうち、昔やってたホームページに書いた恥ずかしい文章を気ままにアップしてみようと思ってます。日付が極端に昔のやつが上がってたら、それです……

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2006年06月28日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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